月: 2020年1月

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スピニングリールの「クリアランス調整」に勘違いが多い件

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。

 

たまにお客様からいただくご意見で、

 

「スピニングリールを新品で購入したんですが、ギヤの遊びがあってガタガタするのでクリアランス調整をしてもらえますか?」

 

「スピニングリールを購入して使っていくうちにクリアランスが開いてきたみたいなので、オーバーホールついでにクリアランス調整していただけますか?」

 

「クリアランス調整のやり方おしえてもらえませんか?」

 

などなど、クリアランス調整についてのご相談、結構あるんです。

 

実はこのようなご意見については、皆様認識が間違ってるんですよ!

おそらく検索でひっかかる個人ブログの投稿や、掲示板、SNSなどの意見をしっかり理解できずに「あ〜クリアランス調整すればギヤのフィーリングって良くなるんだ」という風に信じておられる人が多いんでしょうね。。。。

 

ひとつづつ解説していきます。

 

まず「クリアランス」とは「隙間」という意味です。

スピニングリールでのクリアランス調整とは、一般的にドライブギヤとベアリングの隙間を調整して、ピニオンギヤ との接触圧力を調整する、というのが正しい見解です。

クリアランス調整には、シムワッシャーという厚みの様々なワッシャーを使用します。

クリアランス調整は、別名「シム調整」と言うこともああります。私は結構シム調整と言うことが多いですね。

 

ダイワで言えばこの部分

 

シマノで言えばこの部分

 

年式や機種で若干違ったりしますが、現行モデルはおおまかこの位置のシムワッシャーを厚みの違うものを数種類、数枚使用してドライブギヤとピニオンギヤ の接地圧力や隙間を調整します。

 

では、どのようなときにこのクリアランス調整が必要なのでしょうか。

 

ドライブギヤの交換、ピニオンギヤの交換 、ボディ、エンジンカバー、それに関するベアリングの交換があったときは、必ずクリアランスやフィーリングの確認を行い、必要があれば調整が必要となる。

と言うのが正しい見解です。

クリアランス調整をする必要が出てくるのは、部品には「部品公差」というものが存在するためです。部品公差とは、部品製造上のほんのわずかなサイズのばらつきと言えばわかりやすいかもです。

ベアリングの規格は「内径*外径*厚み」を数字であらわします。7*13*4と言う規格だったら、内径7mm外径13mm厚み4mmのベアリングです。ベアリングを仕入れると全てこのサイズでできているのですが、製造上ほんのわずかに誤差があります。この誤差が「部品公差」です。

また、メーカーが製造しているギヤ ですら同じく部品公差は生じます。

ただ、日本製品の精度はかなりのものですので、極端な調整をすることはほとんどないです。

 

弊社での作業では、上記の赤文字の部品交換があったときは、必ずフィーリング確認し、必要な場合はクリアランス調整します。クリアランス調整はチューニングではありません。リールという製品を正しく機能させるための必要な調整です。ですので、別途費用はいただいておりません。

 

弊社へご依頼いただく限りは、クリアランス調整のことはご心配なく

 

というのが一番お伝えしたいことですね!

 

 

では、先ほどのお客様のご意見についての見解です。


「スピニングリールを新品で購入したんですが、ギヤの遊びがあってガタガタするのでクリアランス調整をしてもらえますか?」


新品出荷時はメーカーでクリアランス調整を行い出荷されています。

クリアランスはある程度必要ですので、新品時からの遊びは正常状態です。

私個人も、「メーカーでも出荷誤差があるだろう」と調整を試みたことはありますが、シムを入れれば遊びは無くなりますが、その分回転が重くなったり、ギヤのこすれる感じが手に強く伝わってフィーリングが悪くなります。

メーカーの調整技術をもう少し信じて欲しいです!

 


「スピニングリールを購入して使っていくうちにクリアランスが開いてきたみたいなので、オーバーホールついでにクリアランス調整していただけますか?」


使っていくうちにクリアランスが開いてきたとうことは、ギヤ磨耗が発生してゴロゴロしていることがあります。ハンドルを引っ張ったり押したりして、あまりにもガクガクと動いたり、ハンドルにかける力次第でゴロゴロしたりしなかったりという場合は、ギヤ磨耗しています。

ただここで大事なのが、「必要な遊びか、不具合があって遊びが大きくなったか」が重要事項です。

元来必要な遊びを人間の「なんとなくそんな気がする」という勘違いからクリアランスが開いたと表現されるユーザーさんが結構多いです。

弊社でお預かりして不具合があればギヤやベアリング交換を行い修復します。

ご納得いただけないユーザーさんや、どれが正解なのかわからなくなってしまったユーザーさんへは、「正常か異常なのか、検査も含めた定期オーバーホールとして出してください」とご案内しています。実際に作業してユーザーさんの気のせいだったというパターンが結構多いです。

例外として、

・ユーザーさん自身で分解やオーバーホールをした

・中古で購入した、譲ってもらった

などという場合は、クリアランス調整がきちんとされていなかったり、調整がずれてしまった場合もあります。検査含めてしっかり対応させていただきます。

 


「クリアランス調整のやり方おしえてもらえませんか?」


絶対無理です!

ご自身で挑戦されるのは全く咎めませんし、業者に出してお金を払うよりはご自身でできればそれに越したことはないと思います。

しかし、長年培ってきた技術やノウハウを「こうやるんですよ」と安易にお教えすることはできません。調整覚えたければ自分でやってください!

リールの作業をして料金をいただく商売です。このホームページは作業をさせていただくための宣伝場所でありお店みたいなものなんです。

他にも色々技術を盗もうとされる方々多数いらっしゃいますが、盗みたいのなら自分のリールを犠牲にしてお金を払って依頼してください!帰ってきたリールの中身が答えです。正直、私がこの仕事を始めた頃は、わざと壊れた状態でメーカーに出したり、弊社より先輩のオーバーホール業者さんへ出して帰ってきたリールの調整を見て勉強しました。

 

オーバーホールを挑戦されて断念して弊社へ出していただくお客様も多数いらっしゃいます。

そんなお客様のことを考えると、ホイホイと技術を電話やメールで簡単にお答えできるはずがないということはわかっていただけると思います。。。。。

ご依頼いただいたお客様は、長い長い待ち時間を待っていただいて、決して安くはない整備費用を払っていただいて、リールを大切に使おうとされておられます。

そんな他のお客様のことを考えても、簡単に技術だけ盗んで自分でやってうあろうという考えの人には決して賛同できません。

 

 


最後の方で少し愚痴話になってしまいまして申し訳ございません。

ノウハウ系統の話題でブログを書くと、必ず教えて君が現れるのであえてコメントさせていただきました。ごめんなさいね。。。。


 

リールメンテナンスドットコム  代表 内田

 

ケミカルの重要性

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

 

本日は久しぶりに技術的なお話を。

ケミカルのお話しです。

リールに使用する、グリスやオイルを弊社では総称してケミカルと呼んでます。バイク業界の方なんかはよく使ってますよね。

 

弊社ではオイルやグリースは、オリジナルで業者さんへ頼んで作ってもらったものや、ヘッジホッグスタジオさんなどのカスタムメーカーのオリジナルケミカルなど、リールの使用用途、種類、大きさ、施工箇所によって様々なものを使用してベストな状態に仕上げることを目指しています。

特に弊社オリジナルのソルト用の高耐圧グリスは、ソルティガやステラなどでベストマッチしたときには、お客様共通で「ヌメヌメした新品みたいになった」とご好評いただいております。

(弊社オリジナルグリスは販売しておりません)

 

そんな中で、この度新たなケミカルがラインアップされました。

 

 

BOREDさんのMETHODシリーズです。

あまりにも有名なメーカーさんで、何を今更とツッコまれそうな新採用です。

 

性能の素晴らしさはすでにご使用されているユーザーさんも多いですし、成分拝見すればどれだけその内容が素晴らしいか、ある意味使ってみなくても予想がつく素晴らしい内容です。

 

弊社模倣サイト(完全パクリサイト)の件でSNSに投稿した内容へのご意見で、BORED内藤さんと巡り合わせていただくことになりました。まさかこのタイミングでお取引が始まるとは(笑

 

 

早速使用をはじめていますが、第一印象としてはオイルの種類がまるで弊社のためにご用意いただいたのではと思えるほど充実してます。まさに痒いところに手が届く的存在。

RMD的なオイルの使用用途はまた後日ご紹介しますが、赤いのと茶色いのがすごく欲しかった粘性です!

グリスは想像通りでしたが、ちょう度0番の2種類(THG LDG)は多種多様のリールに使用できる感じです。もちろん適材適所なのですが。一瞬「本当に00番?」と思えるほどのフィーリングですが、のせてみたら確かに0番だという感じでした。

ちょっとマニアックな路線に話が行きそうなので、この手のお話は後日じっくりと。。。。。。

 

弊社使用のケミカルのマストアイテムとなりました。

後日入荷のDELTAの使用感を試すのが楽しみです!

 

 

リールメンテナンスドットコム  代表 内田

 

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