マグシールドベアリングは、ある意味恐ろしい!

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

水没、塩ガミの話題が続きますが、今回は違う意味でびっくりしました!

 

※特定メーカーさんを嫌っての投稿ではありませんので、その点だけはご了承、ご理解のほどお願いいたします。

 

ご依頼リール

15ソルティガ5000H

「水没経験あり、回転時にゴロゴロがひどい、巻きはじめがすごく重たい。」

 

 

分解前テストで、グリスの切れた自転車みたいな音がしてます。

初動がかなり引っかかりますし、少しギヤも怪しいかな。。。

 

さて分解です。

いつもの通り、メインのマグシールドユニットは問題なしです。

 

 

 

 

ワンウェイクラッチ とローターナットのベアリング、ハンドルノブのベアリングは交換必要です。

 

 

 

そして、ワンウェイクラッチ を外したところです。

 

 

抜くのが大変でしたwww

 

 

そしてお待たせの、錆び錆びタイム!!!!

 

 

特筆すべきは、写真に写っている、マグシールドベアリングです。

 

 

周りの部品やボディが、この錆び錆び状態で、

 

 

回転問題なし!!!!

十分に使えます。これには驚きました。

リョウガBJやモアザンPESVのピニオンギヤにもマグシールドベアリングが導入されていますが、結構な割合で交換必須になっていることが多いです。この差はなんなのでしょうね???

 

 

ドライブギヤですが、

 

 

普通に見ると「アウト!!!!」と叫びたくなりますが、自分の見立て的には、「まだ使えるんじゃね?」的見解でした。

 

洗ってみましょう。

 

 

表面の錆びを気にしなければ、使えるかな?

あとは組み込んでフィーリング確かめて、摩耗具合をテストです。

 

続いて、オシレートギヤ

 

 

出っ張っているところが削れているのわかりますか?

これがキコキコの原因です。

これに付随して、シャフトも交換必要です。

 

 

そりゃキコキコいいますわい。。。。。

 

 

オシレートギヤは交換必須で、ユーザーさん確認して、メーカー部品オーダーしました。

問題は、これこれ。。。。。

 

 

 

この前ご紹介した10ソルティガは、この写真のピニオンギヤのハウジングが完全に割れてましたが、

今回のお客様のリールは、よくみないとわからない、クラックが入っているだけ。。。。

これが一番怖いんです。

正直、これを見逃して、「シャフトと前側でピニオン支えるから大丈夫」との判断で、組み込んでお返ししたことがあります。

もちろんお客様には説明後でお返ししたのですが、使用後1発目で破壊。。。。。すべて弁償させていただきました。

お客様も弊社も苦い経験を。。。。

 

今回のユーザー様にも交換をお勧めします。

 

 

リアルタイムの話で、皆様のご参考にもなるかもなので、ご予算もあわせてご紹介です。

 

工賃5,800円

不具合ベアリング 6個 ハンドルノブX2、ローターナット、ピニオンギヤ上下、オシレートギヤの6箇所 ベアリング代6,500円

ワンウェイクラッチ 3,100円

ワンウェイクラッチワッシャ 200円

ピニオンベアリングカラー 300円

オシレーティングギヤ A 500円

オシレーティングギヤ A スプリング 200円

オシレーティングギヤ B 500円

オシレーティングギヤ B リング 200円

※メインシャフト 2,400円

ここまで行うと、19,700円(税別)+お返しの送料

 

弊社としては、強くお勧めしたいのが、

※ボディ交換 8,300円

写真の錆びが気になれば、※ボディーカーバー交換 3,800円

28,000円(税別)もしくは31,800円(税別)のご予算。あたらに買い直すよりはという考えであれば、ここまでの修理を推奨します。

 

そして、最後にギヤを組み込んでテストし、フィーリングの状態をお伝えし、お客様にご判断いただきます。

多少のゴロ感が出ても我慢してお使いになるということであれば、先ほどのところまでの費用で終了。

ギヤ交換する場合は、※ピニオン+ドライブギヤ部品代 16,000円もします。。。。

完全にご提案全て入れ替えで、47,800円(税別)のご予算です!!!!!高っか!!!!!!

でも、15ソルティガの中古よりは安くすみますね。中身が見えない中古よりは安心できるという考えもあります。弊社を擁護する考えです(笑

 

ご参考までに、※印がついている部品ですが、これはグローブライド製品の特有の扱いで、部品の単体仕入れができません。

釣具屋さんで頼んでも、弊社が発注しても、どんなにダイワ製品をたくさん購入しているお客様が発注しても、絶対に売ってくれません。

「メーカー修理対応品」扱いです。SLPさんへ修理依頼に出す必要があります。

ただ、弊社からこれらの修理対応品の交換をお願いした場合は、先方都合ということで、工賃の請求はなく、実質部品を売っていただいたのと同じ扱いで処理していただけています。ただ、弊社作業とSLPさんの作業がダブルで入るので、時間がかなりかかります。

 

時間がかかるのに、わざわざ弊社に出していただけるなんて、本当にありがたい限りです。。。。。

 

仕入れできる部品は、おつきあいのある問屋さんが大変フットワークが良い親切な問屋さんなので、

毎週火曜日ぐらいまでに発注した部品はその週の土曜日には入荷します。

流通都合で遅れても、次の週には入荷します!

SLPさんの修理依頼は、だいたい3〜4週間くらいですかね。早くて2週間で戻るときもあります。

 

よく、「概算でいいのでいくらかかりますか?」というご質問を受けますが、ぜひこの記事を読んでいただきたいです。

「回転時にゴロゴロがひどいです。巻きはじめがすごく重たいです」という症状のリールが、

実際に分解してみると、確かにひどかったんですが、どこまで修復するかで、これだけ選択肢があるのと、価格の幅があるんだということのご参考になればと。。。。。

 

リールメンテナンスドットコム 内田

 

 

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