久しぶりに痺れた調整

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

 

前回、クリアランス調整のお話に触れましたが、今回も同じクリアランス調整の話です。

通常メインギヤのクリアランス調整は、ドライブギヤの左側や、左側のエンジンカバー部分に調整ワッシャー(シム)を入れて調整するとお話ししました。

今回は、かなりマニアックな調整となりましたのでご紹介します。

 

リール:08ツインパワー2000

症状:注油口から注油したら急に重くなった。メーカーに出したが断られた。作業可能ですか?

 

08ツインパワーは部品生産終了機種です。
年式関係なく、オーバーホールの基本作業と悪くなったベアリングの交換までは可能ですが、部品生産終了機種については、ギヤやその他の部品の手配交換ができません。

 

古い機種の場合はこのような条件で弊社で作業可能なところまではフォローをさせていただいてます。

 

お預かりして回した感じ、かなり重くて、少しゴロッとしているような。。。。

ギヤが悪いか悪くないか大変微妙な症状です。

考えたことは2つ

・ベアリングの固着、錆びつきで重い

・もしかしたら現オーナーが分解経歴あり、あるいは中古ご購入で全オーナーが分解経歴あり。

 

早速分解します。

ラインローラー のベアリングはゴリンゴリンでしたが、エンジン部分のベアリングは全く問題なし!

確かにグリスはベットリ状態ですが、グリス程度でここまでは重くなりません。

ギヤは目視では問題ないレベル。

 

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洗浄後、組みつけを始めて様子を見ます。

ボディの蓋(左側)を組みつけて、「あれ?すっげえ重い」

ここで予想するのが、冒頭のお話のクリアランス調整です。結構厚いシムが入っていたので、少しづつ調整します。

かなり薄くしてもほぼ変わらずの重さなので、一旦シムゼロにしました。

 

まだ重い。。。。。

 

ベアリングが規格外のサイズに変わっているのか?確かめますがドライブギヤ左右とも規格サイズのベアリングが入っています。

 

ふとリールを下から覗くと。。。。。

 

 

ムッチャ空いてるやん。。。。

 

違うリールのパーツですかと思えるほどの空き具合。。。。

念のため、ドライブギヤを外してみて蓋をすると、若干隙間は減りますが、少し空いている。。。。

現行パーツ入手可能な機種だったら、色々仕入れて試してみたいところですが、それは出来ないので、久しぶりにボディビスにシムかましました!

05イグジストとか初期型セルテートでは結構入ってることの多いボディのシム。

シマノではまず見ることはほとんどないです。

 

もしオーナーの分解経歴もなく、中古だとして全く分解経歴がないとすれば、「変形?」とも考えましたが、簡単に変形するような素材ではないですし。。。。。

 

いろいろな「???」が残りましたが、ボディ蓋のビスの下にシムをかまして蓋の締め付け高さを合わせてやるという荒技でことなきを得ました。

高さを合わせたら隙間がなくなりましたので、もしかしたら経年で変形?衝撃?出荷時はシムが入っていた?など完全な原因追及はできませんでしたが、

仕上がりはほぼギヤ摩耗なしのバッチリ回転!しっかり固定できている状態なので機能的にも問題なし!

今回は久しぶりに気持ちの良い仕上がりとなりました。

 

ちょっとマニアックなお話でした。

 

 

リールメンテナンスドットコム 内田

 

 

 

 

 

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