20ツインパワー 4000XG 初期不良

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコム 内田です。

 

たま〜にある、シマノ製品の初期不良を久しぶりに見つけました。すべてのツインパワー が初期不良というわけではありませんので、誤解しないで読んでくださいね。

 

 

負荷をかけたらゴリゴリになったということでお預かり。
ギヤが目視でわかるほど削れていたので、お客様のご使用過程で根がかりの負担がかかったか、魚やジャークなどで負荷がかなりかかったのだろうと、ギヤ一式を仕入れ、交換。
 
組み上げてシルキーな巻き心地になり、念のため負荷テストをしたら、シャフトが下死点に差し掛かる手前で、ゴリゴリゴリという異音と共にオシレートがストップ。そのまま力要らずにオシレートは動き始めた。違和感残るので検査すると、ドライブ、ピニオン、ウォームシャフトに傷。。。。
 
ギヤは弊社負担で再度取り寄せれば問題ないが、一番の問題は不具合の原因。。。。
オシレートに問題ありとにらんで、オシレートピンのクリアランス調整、ウォームシャフトの前後のクリアランス調整、細かく追求するが、現象変わらず。シャフトが下がるときに負荷をかけるとシャフトが滑って下がり、上がるときに少し力が要る。
こういう時は、一旦固定概念をリセットし、今までの知識の引き出しを引っ張りまくってみる。
わからん!!!!
摺動子ガイドが1本なので安定しないのか?
んなわけない、ストラもヴァンキも1本でちゃんと支えている。
安定しないのなら、何台も不具合が出ているはず。
 
 
 
 
摺動子ガイドかぁ、
ん???????????????
ダメやんこれ。
 
 
先っぽが細くなってるはずなのに、まっすぐ。
ボディの溝にハマりません。しかも少しはみ出てる。
 
 
ボディの素材とガイドの素材を考えても、衝撃でガイドの先っぽが折れるとは考えにくいです。
 
ということで、お客様におそらく初期不良がありそうだということを説明。
ギヤを再度こわしちゃったのは弊社の作業責任なので、部品代は負担するので再度部品を取り寄せさせてくださいと説明。
1週間ほど待っていただくお願いをして、すぐに問屋を通してメーカーへ部品発注。
 
 
 
ギヤ一式、ウォームシャフトとピン、おそらく初期不良であろう摺動子ガイドを仕入れ、本日再作業。
 
 
 
 
まずは、その摺動子ガイドを2本並べてみます。
 
 
上:正常部品
下:おそらく初期不良部品(というより部品生産エラー品)
 
長さ違いますね。
細い部分が衝撃で折れたわけでもなさそうです。
実際、リールの内部に折れたカケラはありませんでしたし、本当に折れたのであれば、素材的にはボデイ側の穴の方が逝ってしまいそうです。。。。
 
本来は、この写真のように、ガイドの細い部分がボディの穴に入り、しっかり固定されるはずです。
 
 
エラー部品のせいで、この穴には入らず、しかも長さが違うので前から少しはみ出てしまったいました。
正常品のガイドを入れますと、
 
 
シャキッと収まり、前方部分ははみでていません。
 
 
この後、各部クリアランス調整を行い、最終組み上げて回してみました。
負荷なしではシルキーなのは先週と同じです。
負荷テストをしてみて、
 
ん〜〜〜〜バッチリ!!!!!
 
これぞ本来のこのリールのフィーリング、性能だ。
 
先ほどお客様へご連絡し、作業完了となりました。
 
よくよくお話を伺ってみると、ご購入後少ない使用で不具合が出たとのことでしたが、そりゃそうでしょう!!!
ガイドがグラグラで固定されていない状態で、メインのシャフトに負荷がかかれば、ウォムシャフトとメインのシャフトが離れて。。。。
あとはゴリゴリ削るだけです。。。。
 
通常ですと、お客様の方でメーカーへクレーム出せば、もしかしたらメーカーで無償対応いただけたかもしれませんが、
今回は弊社へお送りいただいたので、流石にメーカーへクレームをつけても通らないかもです。。。。
 
「メーカーの組み込みあてにならないな」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、一概にメーカーを責めることはできません。
実際、弊社で作業させていただいた時も、ギヤ摩耗があるとの判断だけで、ガイドの部品エラーには気がつきませんでした。
「まさかガイドがエラー品」だとは疑ってもみませんでした。
ギヤを一式入れ替えて、負荷テストをして、
 
考えて
 
悩んで
 
アッ!と気がついただけのことです。
 
ものづくりの仕事をされておられる方は、分かっておられると思いますが、海外生産ではなく国内生産であっても部品生産のエラーは実際に出てくるものです。
これを製造組み立て段階でチェックするのが、メーカーの責任ではありますが、負荷をかけなければ普通に巻けましたので、メーカーの組み込み時のチェックで漏れてしまっても仕方がないなと感じました。
 
弊社の作業工程においても、「まさかありえないだろ」という考えは排除していかないと、確認ミスが起きてしまうなと、大変勉強になりました。
 
リールメンテナンスドットコム