整備日誌

BORED新製品がヤバい!

2021.06.01

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

弊社ではあまり商品を宣伝しないのですが、今回は本当に「すげぇ」と感じたので、宣伝します(笑

弊社では、オリジナルの高耐食防錆ベアリングを使用してオーバーホールしています。

ベアリングを良いものを使うと当時に、グリスやオイル等のケミカルも、リールの仕上がりフィーリングに大きく影響しますので、それなりにしっかりしたものをチョイスして使用しています。

 

オリジナルで発注しているケミカルの他、ヘッジホッグスタジオさん、BOREDさんなどのケミカルを用途や構造に応じて使い分けていますが、最近BOREDさんより発売されたグリスがかなり「やばい」のでご紹介します。

 

 

BORED    OMEGA

 

詳しいところは、

BORED OMEGA 商品ページ

をご参照ください。

 

マイクロモジュールギヤには「これしかない」というクオリティ!ギヤ鳴き軽減に抜群の威力を発揮します。

ちょう度は0ハーフ(ゼロより少し下らしいです)と通常の考えでは「シャバシャバ」かと思ってしまう増ちょうの度合いですが、配合物とバランスの影響なのか、す〜〜〜んごくまとわりつきます。

ご自身で分解してオーバーホールされてる方には、絶対おすすめです。小型番手のステラには絶対必須(笑

ただし、調子に乗って塗りすぎ注意ですよ!BORED社の製品はとにかく薄く塗るのが良いですね。

塗りすぎは悪影響や不具合が出てしまうことがあります。

この辺りは、またマニアックなブログを立ち上げる予定なので、そこでご紹介しますね!

 

リールメンテナンスドットコム 内田

ローラークラッチ=ワンウェイクラッチ が無い時代

2021.03.23

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコム の内田です。

冬場のお申し込みが集中し納期が遅くなっております。皆様にはご迷惑をおかけしておりますが、何卒ご了承くださいませ。

 

ブログアップするより、作業を!ということでガンガン作業進めさせていただいておりますが、気になるリールのご依頼がありましたので少しご紹介を。

リョービ メタロイヤルVS3000ZM

今はなき、リョービのスピニングリールです。

個人的にフィッシングサファリマニアなので、リョービのリールはついつい気になります。

ローラークラッチ、ワンェイクラッチなどと呼ばれる、いわゆるアンチリバースのためのローラーベアリングがまだ採用されていない仕様のスピニングリールです。

 

ハンドルを回して、ローターの逆転ストップが、ストッパー機能で構成されています。

ペンのスピンフィッシャーなんかが同じ構造です。

ハンドル回した後に少しだけ戻る感じで、ストッパーがローターの内側に当たって「カコーン」って音がします。

普通にリトリーブするだけならあまり分からない。しゃくったり、ストップアンドゴーのような動作では、むむっと戻ってカコンと音がします。

 

そして、リョービのスピニングはシャフト上下(スプール上下)の動作は、オシレートギヤ仕様

ダイワ製品のほとんどが同じ方式ですね。

シマノはベイトリールのウォームシャフトを縦に向けたウォームシャフトで同じ動作をする仕様です。

一部バイオマスターにはオシレートギヤの方式のものもあります。

ちなみに、写真の状態ではこの後ドライブギヤは入りません。撮影のために組んだ状態です(笑

 

こんな内容の一歩踏み込んだこととか、いろいろなリールの特徴、いろいろな情報提供、技術的な質問受付を可能とする

会員サイト

を今年中には立ち上げ予定です!

納期があまりにも長くお待たせしてしまうので、ラインローラー のベアリング交換くらいは、弊社の会員になっていただかればご自分でできるようになる、という感じで考えてます。会員になっていただいたユーザーさんにはリールのセルフメンテや簡単な作業等のスキルアップにつなげていただき、弊社からのご提案や作業時の不具合のご相談時に、お互いにレベルアップしたお話ができれば、道具に対する皆様の理解度もアップできるのではと考えてます!

お楽しみに!!!

 

 

リールメンテナンスドットコム 

部品入荷遅延のお知らせ

2021.01.29

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコムです。

おかげさまでたくさんのご依頼をいただき、作業の順番待ちが大変長くなっておりまして、皆様にはご迷惑をおかけしておりまして申し訳ございません。

ダイワ(グローブライド)製品の作業ご依頼のお客様、及びご依頼ご検討のお客様へお知らせです。
 
ダイワ製品の部品供給、ギヤ交換などをお願いしているスポーツライフプラネッツ様でコロナ感染者が出てしまったようです。
同社では、2月3日まで全社休業の状態を公式発表されておられます。
https://sportlifeplanets.com/
 
ギヤなどメーカー修理対応の交換部品の作業待ちのお客様へは順次ご案内をさせていただいております。
 
メーカー修理対応以外の、仕入れ手配可能な部品につきましても、入荷遅延が大幅に発生しております。
 
皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、何卒ご了承くださいませ。
 
 
リールメンテナンスドットコム

営業時間変更のお知らせ

2020.10.27

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコムです。

営業時間変更のお知らせです。

 

営業時間 9:00~18:00(木曜定休)

 ↓↓

電話受付 9:00~16:00(木曜定休)

 

上記のように営業時間を変更いたします。

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

リールメンテナンスドットコム スタッフ一同

発送業務一時休止のお知らせ

2020.09.04

皆さんこんにちは。リールメンテナンスドットコム です。

台風10号の影響で弊社提携の運送会社より集荷休止の連絡が入りましたため、

2020年9月7日(月)の発送業務を休止させていただきます。

作業完了しましたお客様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいませ。

また、このブログを見てくださっておられるユーザーの皆様も、台風対策はお早めにご準備なさってください。

リールメンテナンスドットコム  スタッフ一同

臨時休業のお知らせ

2020.06.08

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコムです。

臨時休業のお知らせです。

6月9日(火)から6月11日(木)まで臨時休業をいただきます。
お問い合わせへのお返事は6月12日(金)以降に対応させていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

リールメンテナンスドットコム スタッフ一同

臨時休業のお知らせ

2020.05.12

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコム の内田です。

 

5月13日(水)

臨時休業

 

5月14日(木)

定休日

 

二日間お休みを頂戴いたします。

 

お問い合わせへのお返事、入金確認や発送対応は、5月15日(金)より随時対応させていただきます。

 

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

 

リールメンテナンスドットコム スタッフ一同

臨時休業のお知らせ

2020.04.01

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコム の内田です。

 

4月2日(木)

定休日

 

4月3日(金)

臨時休業

 

お問い合わせへのお返事、入金確認や発送対応は、4月4日(土)より随時対応させていただきます。

 

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

 

リールメンテナンスドットコム スタッフ一同

久しぶりに痺れた調整

2020.02.11

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

 

前回、クリアランス調整のお話に触れましたが、今回も同じクリアランス調整の話です。

通常メインギヤのクリアランス調整は、ドライブギヤの左側や、左側のエンジンカバー部分に調整ワッシャー(シム)を入れて調整するとお話ししました。

今回は、かなりマニアックな調整となりましたのでご紹介します。

 

リール:08ツインパワー2000

症状:注油口から注油したら急に重くなった。メーカーに出したが断られた。作業可能ですか?

 

08ツインパワーは部品生産終了機種です。
年式関係なく、オーバーホールの基本作業と悪くなったベアリングの交換までは可能ですが、部品生産終了機種については、ギヤやその他の部品の手配交換ができません。

 

古い機種の場合はこのような条件で弊社で作業可能なところまではフォローをさせていただいてます。

 

お預かりして回した感じ、かなり重くて、少しゴロッとしているような。。。。

ギヤが悪いか悪くないか大変微妙な症状です。

考えたことは2つ

・ベアリングの固着、錆びつきで重い

・もしかしたら現オーナーが分解経歴あり、あるいは中古ご購入で全オーナーが分解経歴あり。

 

早速分解します。

ラインローラー のベアリングはゴリンゴリンでしたが、エンジン部分のベアリングは全く問題なし!

確かにグリスはベットリ状態ですが、グリス程度でここまでは重くなりません。

ギヤは目視では問題ないレベル。

 

????????????

 

洗浄後、組みつけを始めて様子を見ます。

ボディの蓋(左側)を組みつけて、「あれ?すっげえ重い」

ここで予想するのが、冒頭のお話のクリアランス調整です。結構厚いシムが入っていたので、少しづつ調整します。

かなり薄くしてもほぼ変わらずの重さなので、一旦シムゼロにしました。

 

まだ重い。。。。。

 

ベアリングが規格外のサイズに変わっているのか?確かめますがドライブギヤ左右とも規格サイズのベアリングが入っています。

 

ふとリールを下から覗くと。。。。。

 

 

ムッチャ空いてるやん。。。。

 

違うリールのパーツですかと思えるほどの空き具合。。。。

念のため、ドライブギヤを外してみて蓋をすると、若干隙間は減りますが、少し空いている。。。。

現行パーツ入手可能な機種だったら、色々仕入れて試してみたいところですが、それは出来ないので、久しぶりにボディビスにシムかましました!

05イグジストとか初期型セルテートでは結構入ってることの多いボディのシム。

シマノではまず見ることはほとんどないです。

 

もしオーナーの分解経歴もなく、中古だとして全く分解経歴がないとすれば、「変形?」とも考えましたが、簡単に変形するような素材ではないですし。。。。。

 

いろいろな「???」が残りましたが、ボディ蓋のビスの下にシムをかまして蓋の締め付け高さを合わせてやるという荒技でことなきを得ました。

高さを合わせたら隙間がなくなりましたので、もしかしたら経年で変形?衝撃?出荷時はシムが入っていた?など完全な原因追及はできませんでしたが、

仕上がりはほぼギヤ摩耗なしのバッチリ回転!しっかり固定できている状態なので機能的にも問題なし!

今回は久しぶりに気持ちの良い仕上がりとなりました。

 

ちょっとマニアックなお話でした。

 

 

リールメンテナンスドットコム 内田

 

 

 

 

 

スピニングリールの「クリアランス調整」に勘違いが多い件

2020.01.21

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。

 

たまにお客様からいただくご意見で、

 

「スピニングリールを新品で購入したんですが、ギヤの遊びがあってガタガタするのでクリアランス調整をしてもらえますか?」

 

「スピニングリールを購入して使っていくうちにクリアランスが開いてきたみたいなので、オーバーホールついでにクリアランス調整していただけますか?」

 

「クリアランス調整のやり方おしえてもらえませんか?」

 

などなど、クリアランス調整についてのご相談、結構あるんです。

 

実はこのようなご意見については、皆様認識が間違ってるんですよ!

おそらく検索でひっかかる個人ブログの投稿や、掲示板、SNSなどの意見をしっかり理解できずに「あ〜クリアランス調整すればギヤのフィーリングって良くなるんだ」という風に信じておられる人が多いんでしょうね。。。。

 

ひとつづつ解説していきます。

 

まず「クリアランス」とは「隙間」という意味です。

スピニングリールでのクリアランス調整とは、一般的にドライブギヤとベアリングの隙間を調整して、ピニオンギヤ との接触圧力を調整する、というのが正しい見解です。

クリアランス調整には、シムワッシャーという厚みの様々なワッシャーを使用します。

クリアランス調整は、別名「シム調整」と言うこともああります。私は結構シム調整と言うことが多いですね。

 

ダイワで言えばこの部分

 

シマノで言えばこの部分

 

年式や機種で若干違ったりしますが、現行モデルはおおまかこの位置のシムワッシャーを厚みの違うものを数種類、数枚使用してドライブギヤとピニオンギヤ の接地圧力や隙間を調整します。

 

では、どのようなときにこのクリアランス調整が必要なのでしょうか。

 

ドライブギヤの交換、ピニオンギヤの交換 、ボディ、エンジンカバー、それに関するベアリングの交換があったときは、必ずクリアランスやフィーリングの確認を行い、必要があれば調整が必要となる。

と言うのが正しい見解です。

クリアランス調整をする必要が出てくるのは、部品には「部品公差」というものが存在するためです。部品公差とは、部品製造上のほんのわずかなサイズのばらつきと言えばわかりやすいかもです。

ベアリングの規格は「内径*外径*厚み」を数字であらわします。7*13*4と言う規格だったら、内径7mm外径13mm厚み4mmのベアリングです。ベアリングを仕入れると全てこのサイズでできているのですが、製造上ほんのわずかに誤差があります。この誤差が「部品公差」です。

また、メーカーが製造しているギヤ ですら同じく部品公差は生じます。

ただ、日本製品の精度はかなりのものですので、極端な調整をすることはほとんどないです。

 

弊社での作業では、上記の赤文字の部品交換があったときは、必ずフィーリング確認し、必要な場合はクリアランス調整します。クリアランス調整はチューニングではありません。リールという製品を正しく機能させるための必要な調整です。ですので、別途費用はいただいておりません。

 

弊社へご依頼いただく限りは、クリアランス調整のことはご心配なく

 

というのが一番お伝えしたいことですね!

 

 

では、先ほどのお客様のご意見についての見解です。


「スピニングリールを新品で購入したんですが、ギヤの遊びがあってガタガタするのでクリアランス調整をしてもらえますか?」


新品出荷時はメーカーでクリアランス調整を行い出荷されています。

クリアランスはある程度必要ですので、新品時からの遊びは正常状態です。

私個人も、「メーカーでも出荷誤差があるだろう」と調整を試みたことはありますが、シムを入れれば遊びは無くなりますが、その分回転が重くなったり、ギヤのこすれる感じが手に強く伝わってフィーリングが悪くなります。

メーカーの調整技術をもう少し信じて欲しいです!

 


「スピニングリールを購入して使っていくうちにクリアランスが開いてきたみたいなので、オーバーホールついでにクリアランス調整していただけますか?」


使っていくうちにクリアランスが開いてきたとうことは、ギヤ磨耗が発生してゴロゴロしていることがあります。ハンドルを引っ張ったり押したりして、あまりにもガクガクと動いたり、ハンドルにかける力次第でゴロゴロしたりしなかったりという場合は、ギヤ磨耗しています。

ただここで大事なのが、「必要な遊びか、不具合があって遊びが大きくなったか」が重要事項です。

元来必要な遊びを人間の「なんとなくそんな気がする」という勘違いからクリアランスが開いたと表現されるユーザーさんが結構多いです。

弊社でお預かりして不具合があればギヤやベアリング交換を行い修復します。

ご納得いただけないユーザーさんや、どれが正解なのかわからなくなってしまったユーザーさんへは、「正常か異常なのか、検査も含めた定期オーバーホールとして出してください」とご案内しています。実際に作業してユーザーさんの気のせいだったというパターンが結構多いです。

例外として、

・ユーザーさん自身で分解やオーバーホールをした

・中古で購入した、譲ってもらった

などという場合は、クリアランス調整がきちんとされていなかったり、調整がずれてしまった場合もあります。検査含めてしっかり対応させていただきます。

 


「クリアランス調整のやり方おしえてもらえませんか?」


絶対無理です!

ご自身で挑戦されるのは全く咎めませんし、業者に出してお金を払うよりはご自身でできればそれに越したことはないと思います。

しかし、長年培ってきた技術やノウハウを「こうやるんですよ」と安易にお教えすることはできません。調整覚えたければ自分でやってください!

リールの作業をして料金をいただく商売です。このホームページは作業をさせていただくための宣伝場所でありお店みたいなものなんです。

他にも色々技術を盗もうとされる方々多数いらっしゃいますが、盗みたいのなら自分のリールを犠牲にしてお金を払って依頼してください!帰ってきたリールの中身が答えです。正直、私がこの仕事を始めた頃は、わざと壊れた状態でメーカーに出したり、弊社より先輩のオーバーホール業者さんへ出して帰ってきたリールの調整を見て勉強しました。

 

オーバーホールを挑戦されて断念して弊社へ出していただくお客様も多数いらっしゃいます。

そんなお客様のことを考えると、ホイホイと技術を電話やメールで簡単にお答えできるはずがないということはわかっていただけると思います。。。。。

ご依頼いただいたお客様は、長い長い待ち時間を待っていただいて、決して安くはない整備費用を払っていただいて、リールを大切に使おうとされておられます。

そんな他のお客様のことを考えても、簡単に技術だけ盗んで自分でやってうあろうという考えの人には決して賛同できません。

 

 


最後の方で少し愚痴話になってしまいまして申し訳ございません。

ノウハウ系統の話題でブログを書くと、必ず教えて君が現れるのであえてコメントさせていただきました。ごめんなさいね。。。。


 

リールメンテナンスドットコム  代表 内田

 

テキストのコピーはできません。