整備日誌

BORED新製品がヤバい!

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

弊社ではあまり商品を宣伝しないのですが、今回は本当に「すげぇ」と感じたので、宣伝します(笑

弊社では、オリジナルの高耐食防錆ベアリングを使用してオーバーホールしています。

ベアリングを良いものを使うと当時に、グリスやオイル等のケミカルも、リールの仕上がりフィーリングに大きく影響しますので、それなりにしっかりしたものをチョイスして使用しています。

 

オリジナルで発注しているケミカルの他、ヘッジホッグスタジオさん、BOREDさんなどのケミカルを用途や構造に応じて使い分けていますが、最近BOREDさんより発売されたグリスがかなり「やばい」のでご紹介します。

 

 

BORED    OMEGA

 

詳しいところは、

BORED OMEGA 商品ページ

をご参照ください。

 

マイクロモジュールギヤには「これしかない」というクオリティ!ギヤ鳴き軽減に抜群の威力を発揮します。

ちょう度は0ハーフ(ゼロより少し下らしいです)と通常の考えでは「シャバシャバ」かと思ってしまう増ちょうの度合いですが、配合物とバランスの影響なのか、す〜〜〜んごくまとわりつきます。

ご自身で分解してオーバーホールされてる方には、絶対おすすめです。小型番手のステラには絶対必須(笑

ただし、調子に乗って塗りすぎ注意ですよ!BORED社の製品はとにかく薄く塗るのが良いですね。

塗りすぎは悪影響や不具合が出てしまうことがあります。

この辺りは、またマニアックなブログを立ち上げる予定なので、そこでご紹介しますね!

 

リールメンテナンスドットコム 内田

ローラークラッチ=ワンウェイクラッチが無い時代

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコム の内田です。

冬場のお申し込みが集中し納期が遅くなっております。皆様にはご迷惑をおかけしておりますが、何卒ご了承くださいませ。

 

ブログアップするより、作業を!ということでガンガン作業進めさせていただいておりますが、気になるリールのご依頼がありましたので少しご紹介を。

リョービ メタロイヤルVS3000ZM

今はなき、リョービのスピニングリールです。

個人的にフィッシングサファリマニアなので、リョービのリールはついつい気になります。

ローラークラッチ、ワンェイクラッチなどと呼ばれる、いわゆるアンチリバースのためのローラーベアリングがまだ採用されていない仕様のスピニングリールです。

 

ハンドルを回して、ローターの逆転ストップが、ストッパー機能で構成されています。

ペンのスピンフィッシャーなんかが同じ構造です。

ハンドル回した後に少しだけ戻る感じで、ストッパーがローターの内側に当たって「カコーン」って音がします。

普通にリトリーブするだけならあまり分からない。しゃくったり、ストップアンドゴーのような動作では、むむっと戻ってカコンと音がします。

 

そして、リョービのスピニングはシャフト上下(スプール上下)の動作は、オシレートギヤ仕様

ダイワ製品のほとんどが同じ方式ですね。

シマノはベイトリールのウォームシャフトを縦に向けたウォームシャフトで同じ動作をする仕様です。

一部バイオマスターにはオシレートギヤの方式のものもあります。

ちなみに、写真の状態ではこの後ドライブギヤは入りません。撮影のために組んだ状態です(笑

 

こんな内容の一歩踏み込んだこととか、いろいろなリールの特徴、いろいろな情報提供、技術的な質問受付を可能とする

会員サイト

を今年中には立ち上げ予定です!

納期があまりにも長くお待たせしてしまうので、ラインローラー のベアリング交換くらいは、弊社の会員になっていただかればご自分でできるようになる、という感じで考えてます。会員になっていただいたユーザーさんにはリールのセルフメンテや簡単な作業等のスキルアップにつなげていただき、弊社からのご提案や作業時の不具合のご相談時に、お互いにレベルアップしたお話ができれば、道具に対する皆様の理解度もアップできるのではと考えてます!

お楽しみに!!!

 

 

リールメンテナンスドットコム 

久しぶりに痺れた調整

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

 

前回、クリアランス調整のお話に触れましたが、今回も同じクリアランス調整の話です。

通常メインギヤのクリアランス調整は、ドライブギヤの左側や、左側のエンジンカバー部分に調整ワッシャー(シム)を入れて調整するとお話ししました。

今回は、かなりマニアックな調整となりましたのでご紹介します。

 

リール:08ツインパワー2000

症状:注油口から注油したら急に重くなった。メーカーに出したが断られた。作業可能ですか?

 

08ツインパワーは部品生産終了機種です。
年式関係なく、オーバーホールの基本作業と悪くなったベアリングの交換までは可能ですが、部品生産終了機種については、ギヤやその他の部品の手配交換ができません。

 

古い機種の場合はこのような条件で弊社で作業可能なところまではフォローをさせていただいてます。

 

お預かりして回した感じ、かなり重くて、少しゴロッとしているような。。。。

ギヤが悪いか悪くないか大変微妙な症状です。

考えたことは2つ

・ベアリングの固着、錆びつきで重い

・もしかしたら現オーナーが分解経歴あり、あるいは中古ご購入で全オーナーが分解経歴あり。

 

早速分解します。

ラインローラー のベアリングはゴリンゴリンでしたが、エンジン部分のベアリングは全く問題なし!

確かにグリスはベットリ状態ですが、グリス程度でここまでは重くなりません。

ギヤは目視では問題ないレベル。

 

????????????

 

洗浄後、組みつけを始めて様子を見ます。

ボディの蓋(左側)を組みつけて、「あれ?すっげえ重い」

ここで予想するのが、冒頭のお話のクリアランス調整です。結構厚いシムが入っていたので、少しづつ調整します。

かなり薄くしてもほぼ変わらずの重さなので、一旦シムゼロにしました。

 

まだ重い。。。。。

 

ベアリングが規格外のサイズに変わっているのか?確かめますがドライブギヤ左右とも規格サイズのベアリングが入っています。

 

ふとリールを下から覗くと。。。。。

 

 

ムッチャ空いてるやん。。。。

 

違うリールのパーツですかと思えるほどの空き具合。。。。

念のため、ドライブギヤを外してみて蓋をすると、若干隙間は減りますが、少し空いている。。。。

現行パーツ入手可能な機種だったら、色々仕入れて試してみたいところですが、それは出来ないので、久しぶりにボディビスにシムかましました!

05イグジストとか初期型セルテートでは結構入ってることの多いボディのシム。

シマノではまず見ることはほとんどないです。

 

もしオーナーの分解経歴もなく、中古だとして全く分解経歴がないとすれば、「変形?」とも考えましたが、簡単に変形するような素材ではないですし。。。。。

 

いろいろな「???」が残りましたが、ボディ蓋のビスの下にシムをかまして蓋の締め付け高さを合わせてやるという荒技でことなきを得ました。

高さを合わせたら隙間がなくなりましたので、もしかしたら経年で変形?衝撃?出荷時はシムが入っていた?など完全な原因追及はできませんでしたが、

仕上がりはほぼギヤ摩耗なしのバッチリ回転!しっかり固定できている状態なので機能的にも問題なし!

今回は久しぶりに気持ちの良い仕上がりとなりました。

 

ちょっとマニアックなお話でした。

 

 

リールメンテナンスドットコム 内田

 

 

 

 

 

スピニングリールの「クリアランス調整」に勘違いが多い件

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。

 

たまにお客様からいただくご意見で、

 

「スピニングリールを新品で購入したんですが、ギヤの遊びがあってガタガタするのでクリアランス調整をしてもらえますか?」

 

「スピニングリールを購入して使っていくうちにクリアランスが開いてきたみたいなので、オーバーホールついでにクリアランス調整していただけますか?」

 

「クリアランス調整のやり方おしえてもらえませんか?」

 

などなど、クリアランス調整についてのご相談、結構あるんです。

 

実はこのようなご意見については、皆様認識が間違ってるんですよ!

おそらく検索でひっかかる個人ブログの投稿や、掲示板、SNSなどの意見をしっかり理解できずに「あ〜クリアランス調整すればギヤのフィーリングって良くなるんだ」という風に信じておられる人が多いんでしょうね。。。。

 

ひとつづつ解説していきます。

 

まず「クリアランス」とは「隙間」という意味です。

スピニングリールでのクリアランス調整とは、一般的にドライブギヤとベアリングの隙間を調整して、ピニオンギヤ との接触圧力を調整する、というのが正しい見解です。

クリアランス調整には、シムワッシャーという厚みの様々なワッシャーを使用します。

クリアランス調整は、別名「シム調整」と言うこともああります。私は結構シム調整と言うことが多いですね。

 

ダイワで言えばこの部分

 

シマノで言えばこの部分

 

年式や機種で若干違ったりしますが、現行モデルはおおまかこの位置のシムワッシャーを厚みの違うものを数種類、数枚使用してドライブギヤとピニオンギヤ の接地圧力や隙間を調整します。

 

では、どのようなときにこのクリアランス調整が必要なのでしょうか。

 

ドライブギヤの交換、ピニオンギヤの交換 、ボディ、エンジンカバー、それに関するベアリングの交換があったときは、必ずクリアランスやフィーリングの確認を行い、必要があれば調整が必要となる。

と言うのが正しい見解です。

クリアランス調整をする必要が出てくるのは、部品には「部品公差」というものが存在するためです。部品公差とは、部品製造上のほんのわずかなサイズのばらつきと言えばわかりやすいかもです。

ベアリングの規格は「内径*外径*厚み」を数字であらわします。7*13*4と言う規格だったら、内径7mm外径13mm厚み4mmのベアリングです。ベアリングを仕入れると全てこのサイズでできているのですが、製造上ほんのわずかに誤差があります。この誤差が「部品公差」です。

また、メーカーが製造しているギヤ ですら同じく部品公差は生じます。

ただ、日本製品の精度はかなりのものですので、極端な調整をすることはほとんどないです。

 

弊社での作業では、上記の赤文字の部品交換があったときは、必ずフィーリング確認し、必要な場合はクリアランス調整します。クリアランス調整はチューニングではありません。リールという製品を正しく機能させるための必要な調整です。ですので、別途費用はいただいておりません。

 

弊社へご依頼いただく限りは、クリアランス調整のことはご心配なく

 

というのが一番お伝えしたいことですね!

 

 

では、先ほどのお客様のご意見についての見解です。


「スピニングリールを新品で購入したんですが、ギヤの遊びがあってガタガタするのでクリアランス調整をしてもらえますか?」


新品出荷時はメーカーでクリアランス調整を行い出荷されています。

クリアランスはある程度必要ですので、新品時からの遊びは正常状態です。

私個人も、「メーカーでも出荷誤差があるだろう」と調整を試みたことはありますが、シムを入れれば遊びは無くなりますが、その分回転が重くなったり、ギヤのこすれる感じが手に強く伝わってフィーリングが悪くなります。

メーカーの調整技術をもう少し信じて欲しいです!

 


「スピニングリールを購入して使っていくうちにクリアランスが開いてきたみたいなので、オーバーホールついでにクリアランス調整していただけますか?」


使っていくうちにクリアランスが開いてきたとうことは、ギヤ磨耗が発生してゴロゴロしていることがあります。ハンドルを引っ張ったり押したりして、あまりにもガクガクと動いたり、ハンドルにかける力次第でゴロゴロしたりしなかったりという場合は、ギヤ磨耗しています。

ただここで大事なのが、「必要な遊びか、不具合があって遊びが大きくなったか」が重要事項です。

元来必要な遊びを人間の「なんとなくそんな気がする」という勘違いからクリアランスが開いたと表現されるユーザーさんが結構多いです。

弊社でお預かりして不具合があればギヤやベアリング交換を行い修復します。

ご納得いただけないユーザーさんや、どれが正解なのかわからなくなってしまったユーザーさんへは、「正常か異常なのか、検査も含めた定期オーバーホールとして出してください」とご案内しています。実際に作業してユーザーさんの気のせいだったというパターンが結構多いです。

例外として、

・ユーザーさん自身で分解やオーバーホールをした

・中古で購入した、譲ってもらった

などという場合は、クリアランス調整がきちんとされていなかったり、調整がずれてしまった場合もあります。検査含めてしっかり対応させていただきます。

 


「クリアランス調整のやり方おしえてもらえませんか?」


絶対無理です!

ご自身で挑戦されるのは全く咎めませんし、業者に出してお金を払うよりはご自身でできればそれに越したことはないと思います。

しかし、長年培ってきた技術やノウハウを「こうやるんですよ」と安易にお教えすることはできません。調整覚えたければ自分でやってください!

リールの作業をして料金をいただく商売です。このホームページは作業をさせていただくための宣伝場所でありお店みたいなものなんです。

他にも色々技術を盗もうとされる方々多数いらっしゃいますが、盗みたいのなら自分のリールを犠牲にしてお金を払って依頼してください!帰ってきたリールの中身が答えです。正直、私がこの仕事を始めた頃は、わざと壊れた状態でメーカーに出したり、弊社より先輩のオーバーホール業者さんへ出して帰ってきたリールの調整を見て勉強しました。

 

オーバーホールを挑戦されて断念して弊社へ出していただくお客様も多数いらっしゃいます。

そんなお客様のことを考えると、ホイホイと技術を電話やメールで簡単にお答えできるはずがないということはわかっていただけると思います。。。。。

ご依頼いただいたお客様は、長い長い待ち時間を待っていただいて、決して安くはない整備費用を払っていただいて、リールを大切に使おうとされておられます。

そんな他のお客様のことを考えても、簡単に技術だけ盗んで自分でやってうあろうという考えの人には決して賛同できません。

 

 


最後の方で少し愚痴話になってしまいまして申し訳ございません。

ノウハウ系統の話題でブログを書くと、必ず教えて君が現れるのであえてコメントさせていただきました。ごめんなさいね。。。。


 

リールメンテナンスドットコム  代表 内田

 

ケミカルの重要性

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

 

本日は久しぶりに技術的なお話を。

ケミカルのお話しです。

リールに使用する、グリスやオイルを弊社では総称してケミカルと呼んでます。バイク業界の方なんかはよく使ってますよね。

 

弊社ではオイルやグリースは、オリジナルで業者さんへ頼んで作ってもらったものや、ヘッジホッグスタジオさんなどのカスタムメーカーのオリジナルケミカルなど、リールの使用用途、種類、大きさ、施工箇所によって様々なものを使用してベストな状態に仕上げることを目指しています。

特に弊社オリジナルのソルト用の高耐圧グリスは、ソルティガやステラなどでベストマッチしたときには、お客様共通で「ヌメヌメした新品みたいになった」とご好評いただいております。

(弊社オリジナルグリスは販売しておりません)

 

そんな中で、この度新たなケミカルがラインアップされました。

 

 

BOREDさんのMETHODシリーズです。

あまりにも有名なメーカーさんで、何を今更とツッコまれそうな新採用です。

 

性能の素晴らしさはすでにご使用されているユーザーさんも多いですし、成分拝見すればどれだけその内容が素晴らしいか、ある意味使ってみなくても予想がつく素晴らしい内容です。

 

弊社模倣サイト(完全パクリサイト)の件でSNSに投稿した内容へのご意見で、BORED内藤さんと巡り合わせていただくことになりました。まさかこのタイミングでお取引が始まるとは(笑

 

 

早速使用をはじめていますが、第一印象としてはオイルの種類がまるで弊社のためにご用意いただいたのではと思えるほど充実してます。まさに痒いところに手が届く的存在。

RMD的なオイルの使用用途はまた後日ご紹介しますが、赤いのと茶色いのがすごく欲しかった粘性です!

グリスは想像通りでしたが、ちょう度0番の2種類(THG LDG)は多種多様のリールに使用できる感じです。もちろん適材適所なのですが。一瞬「本当に00番?」と思えるほどのフィーリングですが、のせてみたら確かに0番だという感じでした。

ちょっとマニアックな路線に話が行きそうなので、この手のお話は後日じっくりと。。。。。。

 

弊社使用のケミカルのマストアイテムとなりました。

後日入荷のDELTAの使用感を試すのが楽しみです!

 

 

リールメンテナンスドットコム  代表 内田

 

冬場は毎年混み合います

みなさんこんばんは。リールメンテナンスドットコムです。

 

毎年恒例の図。。。。

 

 

順番待ちの皆様のリールの箱です。

通常は、右に見えるスチールラックに収まる量で、2週間待ちくらいです。

忙しい時は、ラックの手前に少しはみ出す感じになりますが、

 

 

 

今年は例年プラスアルファでお申し込みが集中して、仕事部屋に入り切らなくて、はみ出してます(汗

 

皆様には納期で御迷惑をおかけしますが、何卒ご了承のほどお願いいたします。

 

 

 

年末年始の休業のお知らせです。

 

12月27日(金)から

1月5日(日)まで

年末年始のお休みをいただきます。

 

新年は6日より営業開始させていただきます。

 

よろしくお願いいたします。

 

リールメンテナンスドットコム スタッフ一同

 

整備申し込み方法が大きく変わりました

みなさんこんばんは。リールメンテナンスドットコム の内田です。

 長い間ブログが更新できておりませんでした。
実はずっと社内の受注システムなど色々改定しておりました。

 12月より、整備のお申し込み方法がガラッと変わりました。
デジタルでペーパーレスのこの時代に、「整備依頼書」という超アナログな方法での申し込みというアンバランスな状態でしたが、
やっと、オンラインで整備の申し込み依頼ができるようになりました。

新しいお申し込み方法はこちら

整備依頼フォームはこちら

 スマホでお名前やリールの機種を入力して行ったら、簡単にお申し込みが可能になりました。
スマホで申し込みフォームを送ったら、あとはリールを宅急便で送ってもらうだけの非常にシンプルな流れです。
もちろんパソコンでも申し込み可能です。

 お申し込みフォームで送っていただいた内容は、メール添付で弊社で開発したシステムへ自動的にインポートされます。
インポートするときは人間の「ポチッと」が必要ですが、カチャカチャとキーボードを叩いて手入力しなくていいので、非常に助かります!
システムはipadでも動くので、作業デスクの横で操作可能!

 お客様への見積もり、リールの状態説明の入力、進行状況のメールのやり取りを、すべてこのシステムで管理できるようになりました。
今までは3つのソフト(エクセルやらなにやら色々)を駆使して、半マニュアルに近い動作で、かなり人手と手間がかかっていましたが、このシステム導入のおかげで、作業に費やせる時間が大幅に増えました。

 弊社スタッフが楽になっただけではありません!
お客様へお渡しする書類が充実しました。

作業の状況、リールの状態、交換した部品の明細がわかる「作業報告書」と、
整備代金、送料など含めてご請求の明細になる、「納品請求書」の2セット書類をリールに同封してお返しします。
今までは、メールだけでリールの整備のご報告をさせていただいておりましたが、リールと一緒にお手元で内容をご確認いただけるような形になりました。

 将来的には会員システムも構築できたらなと考えてます。
大変ありがたいことにリピーターさんも多いので、お名前やご住所の入力が楽になるだけの単純なものではなく、何かプラスアルファのサービスをご提供できればと考えています。

作業効率は上がりましたが、ちょうど冬場の繁盛期に入りましたので、毎年恒例の、意味がわからない長い納期になっております。
お申し込みいただいた皆様にはご迷惑をおかけしますが、どうぞ気長にお待ちいただけますと幸いです。

リールメンテナンスドットコム  スタッフ一同

19ステラSWを分解してみたら、すごく改善されてることがありました!

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。

久しぶりのブログ更新です。

 

本日、19ステラSWのご依頼があり、色々と気になっていたことがわかったのでご紹介いたします。

少しマニアックな内容含みますのでご了承ください。

 

19ステラSW8000PG

空回しでシャラシャラが出てきたとのこと。

そこまで大きな不具合ではないのですが、13ステラSW含めてまとめて定期オーバーホールとしてお申し込みでした。

 

分解前の時点で、ベアリング2個or3個不良で見立てて作業進めました。

 

・ハンドルノブ

ノブの根元のベアリング不良でシャラシャラ→交換で回復 写真は割愛します。

・ラインローラー

プロテクトがしっかりして、最近使われているラインローラー 専用の防水グリスの効果もあり、

オフショアリールにしては珍しく、ラインローラー のベアリング交換はありませんでした。

 

結局ベアリング不良は、

ハンドルノブ、ピニオンギヤ上下と、いかにもな箇所のベアリング不良3箇所のみで済みました。

 

 

構造的に革新的なのが、

まずはローラークラッチ(いわゆるワンウェイクラッチ)

 

写真をみてお分かりになられる方は、同業者さんかメーカーの方、もしくは15ツインパワーユーザーかも!!!
そうなんです。

15ツインパワーSWと同じ構造のローラークラッチに変更になってました。
同じ構造というだけで、互換はないと思います。部品IDも名称も違います。
このクラッチ、個人的にはお気に入りです。
今までの塩ガミの心配がグンと減るのではないかなと思います!

ただ、期待していて残念だったのが、ボディカバー

 

折れるんですよ。。。。ビスの入るところが。。。。
小さいステラみたいなカバーになるのかなと期待していたんですが。。。。
デザインも考慮して仕方がないかもしれません。

 

ツインパワーSWっぽくなったのはここにも!

 

摺動子とウォームシャフトのお尻の栓みたいなやつがツインぱっぽい構造になりました。

でも、ツインパと違って、ウォームシャフト前後にはベアリング採用。

そしてマニアックな場所がここ

 

ウォームシャフトピンにベアリング採用だったのが、04ステラ以前のステラのように、ベアリングがなくなりました。

スプール上下のコトコト感改善に役立ってくれるといいですね!
多分ゴムシールがいい仕事をしそうな予感です。

そして、フィッシングショーでシマノの開発スタッフさんにガッツリお話聞いてきたのが、ココ

 

 

ピニオンギヤ下のベアリングの後ろに、プラ製カラーを採用して、シャフトを前後で支えてブレとノイズを軽減するという構造!

シマノのHPにも詳しく記載ありますが、

 分解してどうなってるかというと、こんなイメージ

 

 

今までも採用されてた、ローターナットのベアリングの下にあるカラーと、

今回採用のピニオン下のベアリングの下にあるカラーでしっかりとシャフトを支えてます。

この構造、ぜひ小さい番手のリールでも採用して欲しいです!

そうすれば、ヴァンキやステラで出ていた、ピニオンとシャフトの擦れ感、金属感がかなり軽減できると思います。

プラ製カラーは、私がこの仕事を始めた時からやいやいと言ってきた代物です。

恩恵は絶対にあると思うんですが。。。。

 

 

写真撮り忘れましたが、

ドライブギヤに入っていたストッパー機能なくなりました!

この方がいいと思います!でもシマノのリールって、採用したり戻したり、行ったり来たりするので、きっと試験も兼ねてるのかも。。。
個人的には、いらないと思います。

 

 

今回は、弊社の技術的記録もかねて投稿させていただいたので、

リールを分解したことがない方には、チンプンカンプンな内容だったかもしれません。ごめんなさいね。

先ほどオーバーホール終わり、組み上げましたが、ベアリング交換でバッチリの回転蘇りました!
新しいリールなので、当たり前といえば当たり前なんですが(笑
何よりすごいのは、その巻きの軽さ!正直13ステラSWと比べると、個人的にも欲しくなってしまう軽さかもです!!!!!

シマノかダイワか、はたまたカスタムメーカーさんか。。。。
スピニングのメインシャフトの浸水を防ぐ開発ができたら、すっごく画期的で、ノーベル賞ものだと思いますが、
開発の方、どうにかなりませんか????(独り言です)

リールメンテナンスドットコム  内田

ここまでやってこの工賃だということをご理解いただけると嬉しいです。

 

みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。

 

以前一度触れましたが、弊社の作業の流れが変わりましたので、修正含めての加筆投稿です。

 

弊社での部品交換のタイミングと、考え方、お見積もり、作業修正についてお話しさせていただきます。

 

お申し込み前、事前によくご質問いただくのが、

「だいたいの金額を教えてもらえますか?」という趣旨のご質問です。

弊社では、リールの状態だけをお伺いしての概算見積もりは行なっておりません。

正直、それがわかるならもう少し商売も楽です(笑)

 

また、実際のリールを拝見して、から回し程度の動作確認での概算見積もりも行なっておりません。

メーカーさんではお客さんからご要望があれば、分解前に概算見積もりを出されることが多いです。

ただ、分解前に予測を立てての部品金額を加算していきますので、「これだけ交換すれば大丈夫だろう」という見積もりになるため、どうしても金額は高くなりがちです。また、見積もり金額に賛同して作業進めてもらったら、他の不具合が見つかり、さらに高額になったり、予算オーバーでしっかり修理されずに戻ってくることも多いようです。

弊社でも「メーカーに見積もり出したら、高いからオタクで安くできる?」なんてお問い合わせもありますが、「絶対に安くできるとは言い切れません」とお答えしています。

 

弊社ではそんな理由から、金額計算は分解検証後の計算とさせていただいております。

お見積もり後のキャンセルは可能です。キャンセル可能ですが、分解作業をしますので、工賃だけは必ず発生します。

金額によっては完全に作業をして欲しくないというお考えのお客様は、弊社へのご依頼は避けていただいた方がよろしいかと存じます。メーカーに見積もりを出せば、キャンセルは見積もり手数料を取られますが、最低限の費用でキャンセルが可能ですので。。。。

 

作業に取り掛かりますと、ひとまず全分解して、上の写真のようにバラバラにします。

ギヤや洗浄可能な部品は、全て超音波洗浄します。

弊社では、ベアリングは消耗品という考え前提で作業をしております。ですので、常時リール用のベアリングは各サイズ在庫をしています。ベアリングはベアリングチェックツールを使い、ゴロゴロしていないか、異音は出ていないかをチェックし、該当するものは一旦強制的に交換します。

良し悪しが微妙な場合は、一旦脱脂洗浄し再度オイルアップしてフィーリングを確認します。中のボールが磨耗していない場合は、この作業でベアリングのフィーリングが復活することもあります。洗浄が終わったら、グリスアップ、オイルアップ、ベアリング交換、部品の組み付けを行い、ひとまず動作確認を行います。

この時点で、動作OKでしたら基本的に作業は完了です。

ここまでの工程、ほとんどのリールが1時間以内に終わります。

ここで初めて見積もり金額が出る形となり、お客様へ金額確認をさせていただきます。

ご予算が合わない場合は、交換したベアリングを戻す作業もすることがあります。この場合の追加費用はかかりませんが、作業後の動作保証はできません。

といっても、まず「戻してください」と言うお客様は、ほとんどいらっしゃいませんけど。。。。(過去数名いらっしゃいました)

 

リールの不具合の原因は、80%以上がベアリング不良といっても過言ではありません。

ベアリング不良+ギヤ不良、その他の部品不良と言うことはよくありますが、ベアリングが全部OKでギヤだけ磨耗という例は、今までのところ実例がありません。

ですので、弊社では分解した時に悪いベアリングは交換して、リールがどのようになったかによってお客様にご相談という流れで作業をしております。

この方がフィーリングの良し悪しを確実に把握できますし、ベアリング交換でOKであればその時点でお返しできる状態になるので、作業の時間短縮にもなります。

 

問題なのは、ベアリング交換をしてもフィーリングが良くならない、不具合が治らない場合です。

ギヤ不良、ワンウエイクラッチ不良、状況によっては他の部品の不具合が色々なパターンで絡み合って来ます。

分解時、実はこれらの不具合はだいたい把握できることが多いのですが、実際には組んでみないとなんとも。。。だとか、どこまで妥協できるかどうかのニュアンスも、一旦組み込んで動作テストしないとわからないのです。

動作テスト後、確実に不具合のある部品をピックアップし、料金を計算し、お客様へご相談という流れになります。

この時点でご了承いただけたら、初めてメーカーへの部品手配となります。

 

金額が合わない場合は、部品手配せずお返しすることも可能です。

また、ギヤの磨耗が大きく、ベアリング交換した状態でもフィーリングがかなり悪い場合は、一旦交換したベアリングを全て戻してお返しすることもあります。

規定の工賃だけは100%発生しますが、ベアリングを戻す作業の手数料などはいただいておりません。

 

基本工賃はメーカーより高めに設定しておりますが、ここまでの作業を含んでの工賃設定です。考え方によってはお安いのでは?と思います(笑)

 

金額が判明するまでお時間はかかりますが、症状と金額がはっきりするので、お客様もご納得の上での作業を進行できるのです。

 

 

 

リールメンテナンスドットコム 内田

18ステラは分解要注意!

みなさんこんにちは。リールメンテナンスドットコムの内田です。

 

代休を頂戴いたしまして、昨日より営業再開しております。

 

代休の間、毎年恒例の沖縄遠征でしたが、釣果は聞かないでください(泣

詳しくはFacebookの私個人のタイムラインでアップしています。

 

営業再開して、早速の要注意物件です。

18ステラ1000SSS

ご自分で分解なさったということで、ローラークラッチまで分解されて、バラバラ状態で組めなくなったとのことでのご依頼でした。

 

 

実はこの部品、メーカー修理対応部品なんです。

なので、みなさんが分解に挑戦されて、失敗した!バラバラにしてしまった!なんてことがあると、

釣具屋さんで部品だけ入れてもらって購入、なんてことが出来ません。

 

ご存知グローブライドの製品も、ギヤやマグシールドなんかは、※1のメーカー修理対応部品ですが、これと同じ扱いのようです。

グローブライドの修理対応部品は、過去に何度となく仕入れ交渉をしましたが、一切取り合っていただけませんでした。

ただし、修理対応部品の交換依頼に出すと、交換手数料(工賃)はサービスしていただけます。ありがたいですね。

ただ、メーカー作業なので時間がかかっちゃいます。。。

 

では、なぜこのような写真が撮れるのか?????

ズバリ、シマノさん、弊社からのお願いでノークレームノーリターンで特別に修理対応部品も出していただけています!

これは本当にありがたいことです。

シマノ製品の修理対応といえば、過去に旧オシアジガーのメインシャフトなどがありましたが、これも出していただけていました!

 

 

表題の、「分解要注意」は、一般の方が部品仕入れができないことと同時に、

結構取り扱いに気を使う点です。

分解時と、はめ込み時にコツと勇気が必要です。この勇気のほうがかなり重要で、勇気を超えて余計なことをすると、ワンウェイはバラバラ事件になります。

難しいことは考えずに、この機種はメーカーオーバーホールや弊社へ出してくださいね!ということですよ。。。。

 

 

特段大きな問題はなかったですが、

1000番代、2000Cは使うジャンルがジャンルのため、シビアなフィーリングには追いつけないリールがまだまだあるのが現状です。

普通に巻けば気にならないけど、スローリトリーブで少しだけ「ザラザラ」ってやつですね。

以前のモデルよりかなり解消されてきましたが、どうしても金属接触部分の摩擦感はリールの永年の課題だと思います。

フィッシングショーでもメーカーさんとガッツリこのことを話し、妥協点がどうしても存在することは完全に体に身についているので、

お客様にも「これは異常、こえは正常範囲内」という説明を自信を持ってさせていただいてます。

 

スピニングのフィーリングの違和感は、

機械ものであるがゆえの仕方なさと、

メーカーが提案する釣りのジャンルが多様化し、そのために専用タックルを売り出していること、

この2点間の隙間が生み出していると言っても過言ではありません。

 

メーカーは売りたいから、多少の過剰宣伝をしてでも、「素晴らしいシルキーなリールができた」と宣伝します。

10年前に比べると、格段に素晴らしいフィーリングになりました。

ただ、ユーザー側も「どれが正解」かわからない状態でリールを手に入れ、実際に使ってみて、「なんか想像と違うぞ」という違和感を抱いてしまうユーザーが多いのも現状です。だから、弊社への相談も絶えません。

身近なショップの店員さんでも「これが正解」という感じをつかめていないスタッフさんが非常に多いようにも感じます。

 

弊社でよくアドバイスさせていただくときに、

・在庫を何台か触って、個体差があることを把握しましょう

・中古も新品も、出来るだけ通信販売は避けて、ショップで手にとって購入しましょう。特に中古は絶対店頭で確認!

・フィーリングを比べる時は、同じ機種、同じ年式のもので比べて結論を出してください。違機種、違年式で比べるのは正解ではありません!

この3点をお話ししています。

 

自分のリールが正常なのか、異常なのか迷ったら、まずはこれらのことを確かめていただいて、

それでも解決しなければ、弊社へお問い合わせいただければ、割と答えが出やすいですよ!

 

 

リールメンテナンスドットコム 内田

 

 

 

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