整備日誌
みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。
作業はもちろん毎日しているのですが(笑)、久しぶりの投稿です。
本日のご紹介は、18イグジストLT4000-CXH
マグシールド+モノコックボディで、ますます一般的なユーザーさんはまず分解できないような状態のリールになってしまいました。。。。
個人的には、ネジの少ないリール好きなので、見た目的には美しい。。。。と感じてしまいました!
まずは、ハンドル部分の分解、洗浄。
使用1年程度で、ハンドルノブ問題なしでした。
写真は割愛します。
続いて、ドラグ部分の作業です。
分解されたことがる方はご存知だと思いますが、写真のように、
「まるでシマノ」
なドラグ構成になってます。ドラグワッシャーも間の座金も、そしてスプールに内蔵のベアリング、スプール受けのクリック機構も、
すべて
「まるでシマノ」
でも、白いフエルトのドラグワッシャーは、ATDなので、普通のドラググリス塗布では機能を損ないます。
潰れたり、ドラググリスが水分で飛んでしまった時は、ATDドラグワッシャーの交換が必要になります。
今回のお客様のリールは、交換必要ありませんでした。ので、周りについた汚れやワッシャーカスをクリーニングして完了です。
さて、お問い合わせの時にもよくご質問のある
「マグシールド搭載機種でも作業してもらえるんですか?」
の写真です。
「問題なく作業出来ます。」
写真は、ラインローラー 部分です。
ラインローラー 本体+ベアリングを上下に2個、その間にシムワッシャー、ベアリングをマグシールドユニットで挟み込んでる構成です。
マグシールドユニットと言っても、磁気を帯びた部品+マグオイル塗布の構成です。
マグシールドを分解するとダメですよ!っていうのは、このマグオイルが漏れ出してしまうこと。
写真でも茶黒く濡れてるのがわかりますよね。
弊社では、2年ほどテストも兼ねて、弊社オリジナルのマグオイルを使用しています。
今の所問題になったことはないですし、むしろ少しスムーズになるかな?という印象です。
どうしても純正にこだわるお客様へは、マグシールドユニットは純正で交換します。ただ、メーカー作業の対応になるので、メーカー出しになり、時間がかかかります。
今の所、弊社ではこのオリジナルの磁性オイルは、普通の注油の感覚と同じ扱いで無料でやってますが、結構このオイルの仕入れ値が高いので。。。
将来的には有料にする予定です。だって、マグオイル漏れちゃうのは、私のせいではないですから(笑
上の写真は、磁性オイルを含ませた後なので茶黒くギラギラしてますが、分解した時はだいたいマグオイル飛んでることが多いです。。。
ラインローラー にマグシールドが搭載されているリールは、外部からラインローラーへの注油は出来ません。
分解すれば、ベアリング交換出来ますし、ベアリングへの注油は出来ますが、マグオイルが手にバリバリ付きます(笑)
慣れていない方は分解はお勧めしません。メーカーオーバーホールか、ウチに出してください!
ちなみに、今回、このベアリング2個とも塩が噛んでゴリゴリ、シャーシャーでした。
洗浄+注油でも復活できなかったので、ベアリング交換させていただきました。
そして、某 10年式ソル○ィ○や、キャ○リ○のリコールで一躍有名になってしまった、弊社。。。じゃなくて、
メインのマグシールドユニットです。
ユニット自体、正直、
すっごく向上してる!!!!!!
という感想です。
ここでは技術的かつ大人な事情で割愛しますが、良くなってます。
通常、ここのメインのユニットのマグオイルが飛んでいる時は、同じくオリジナル磁性オイル注油か、純正マグユニット交換のご提案をするのですが、
今回は全く交換不要でした。
そして、どこから分解してギヤ出すの?的なものコックボディは、
このようにして分解します!
専用工具必須です!
技術屋さんは、治具と呼びます。
知り合いの船長さんに作ってもらいました!
ネットでいろんな代わりの工具やアイデアで分解できるよと書いてあるらしいですが、
絶対に傷がつきます!!!!!!!!!
分解は諦めて、メーカーかウチに出してください(笑)
ギヤを挟んで、左右とも分解には専用工具必須です。
特に写真のように右側のエンジンプレートの下は、オシレートギヤを支えるユニットになってて、むちゃくちゃ重要な部品です。
以前にもまして、ベアリング外し、ドライブギヤ外しは慎重な作業が必要。
作業に慣れていない方は、挑戦をお控えいただいた方が賢明だと思います。。。。
そして、最後にバラッッバラにして、洗浄、洗浄です!
割と綺麗でしたが、しっかり脱脂して、新たにグリスアップ、オイルアップし作業完了です!
今年は、まだまだ隠し球がありますwww
サービス向上も含めて、技術的挑戦色々やっていきます!
お楽しみに!
リールメンテナンスドットコム 内田
みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。
水没、塩ガミの話題が続きますが、今回は違う意味でびっくりしました!
※特定メーカーさんを嫌っての投稿ではありませんので、その点だけはご了承、ご理解のほどお願いいたします。
ご依頼リール
15ソルティガ5000H
「水没経験あり、回転時にゴロゴロがひどい、巻きはじめがすごく重たい。」
分解前テストで、グリスの切れた自転車みたいな音がしてます。
初動がかなり引っかかりますし、少しギヤも怪しいかな。。。
さて分解です。
いつもの通り、メインのマグシールドユニットは問題なしです。
ワンウェイクラッチ とローターナットのベアリング、ハンドルノブのベアリングは交換必要です。
そして、ワンウェイクラッチ を外したところです。
抜くのが大変でしたwww
そしてお待たせの、錆び錆びタイム!!!!
特筆すべきは、写真に写っている、マグシールドベアリングです。
周りの部品やボディが、この錆び錆び状態で、
回転問題なし!!!!
十分に使えます。これには驚きました。
リョウガBJやモアザンPESVのピニオンギヤにもマグシールドベアリングが導入されていますが、結構な割合で交換必須になっていることが多いです。この差はなんなのでしょうね???
ドライブギヤですが、
普通に見ると「アウト!!!!」と叫びたくなりますが、自分の見立て的には、「まだ使えるんじゃね?」的見解でした。
洗ってみましょう。
表面の錆びを気にしなければ、使えるかな?
あとは組み込んでフィーリング確かめて、摩耗具合をテストです。
続いて、オシレートギヤ
出っ張っているところが削れているのわかりますか?
これがキコキコの原因です。
これに付随して、シャフトも交換必要です。
そりゃキコキコいいますわい。。。。。
オシレートギヤは交換必須で、ユーザーさん確認して、メーカー部品オーダーしました。
問題は、これこれ。。。。。
この前ご紹介した10ソルティガは、この写真のピニオンギヤのハウジングが完全に割れてましたが、
今回のお客様のリールは、よくみないとわからない、クラックが入っているだけ。。。。
これが一番怖いんです。
正直、これを見逃して、「シャフトと前側でピニオン支えるから大丈夫」との判断で、組み込んでお返ししたことがあります。
もちろんお客様には説明後でお返ししたのですが、使用後1発目で破壊。。。。。すべて弁償させていただきました。
お客様も弊社も苦い経験を。。。。
今回のユーザー様にも交換をお勧めします。
リアルタイムの話で、皆様のご参考にもなるかもなので、ご予算もあわせてご紹介です。
工賃5,800円
不具合ベアリング 6個 ハンドルノブX2、ローターナット、ピニオンギヤ上下、オシレートギヤの6箇所 ベアリング代6,500円
ワンウェイクラッチ 3,100円
ワンウェイクラッチワッシャ 200円
ピニオンベアリングカラー 300円
オシレーティングギヤ A 500円
オシレーティングギヤ A スプリング 200円
オシレーティングギヤ B 500円
オシレーティングギヤ B リング 200円
※メインシャフト 2,400円
ここまで行うと、19,700円(税別)+お返しの送料
弊社としては、強くお勧めしたいのが、
※ボディ交換 8,300円
写真の錆びが気になれば、※ボディーカーバー交換 3,800円
28,000円(税別)もしくは31,800円(税別)のご予算。あたらに買い直すよりはという考えであれば、ここまでの修理を推奨します。
そして、最後にギヤを組み込んでテストし、フィーリングの状態をお伝えし、お客様にご判断いただきます。
多少のゴロ感が出ても我慢してお使いになるということであれば、先ほどのところまでの費用で終了。
ギヤ交換する場合は、※ピニオン+ドライブギヤ部品代 16,000円もします。。。。
完全にご提案全て入れ替えで、47,800円(税別)のご予算です!!!!!高っか!!!!!!
でも、15ソルティガの中古よりは安くすみますね。中身が見えない中古よりは安心できるという考えもあります。弊社を擁護する考えです(笑
ご参考までに、※印がついている部品ですが、これはグローブライド製品の特有の扱いで、部品の単体仕入れができません。
釣具屋さんで頼んでも、弊社が発注しても、どんなにダイワ製品をたくさん購入しているお客様が発注しても、絶対に売ってくれません。
「メーカー修理対応品」扱いです。SLPさんへ修理依頼に出す必要があります。
ただ、弊社からこれらの修理対応品の交換をお願いした場合は、先方都合ということで、工賃の請求はなく、実質部品を売っていただいたのと同じ扱いで処理していただけています。ただ、弊社作業とSLPさんの作業がダブルで入るので、時間がかなりかかります。
時間がかかるのに、わざわざ弊社に出していただけるなんて、本当にありがたい限りです。。。。。
仕入れできる部品は、おつきあいのある問屋さんが大変フットワークが良い親切な問屋さんなので、
毎週火曜日ぐらいまでに発注した部品はその週の土曜日には入荷します。
流通都合で遅れても、次の週には入荷します!
SLPさんの修理依頼は、だいたい3〜4週間くらいですかね。早くて2週間で戻るときもあります。
よく、「概算でいいのでいくらかかりますか?」というご質問を受けますが、ぜひこの記事を読んでいただきたいです。
「回転時にゴロゴロがひどいです。巻きはじめがすごく重たいです」という症状のリールが、
実際に分解してみると、確かにひどかったんですが、どこまで修復するかで、これだけ選択肢があるのと、価格の幅があるんだということのご参考になればと。。。。。
リールメンテナンスドットコム 内田
皆さんこんにちは。リールメンテナンスドットコム の内田です。
「オーバーホールを怠るとこんなことになってしまいますよ」的な写真は、弊社も使うこと多いですし、メーカーさんのホームページや他業者さんのホームページでも結構拝見します。
その度に、「人ごとではないな」と思い作業をしているのですが、本日は久しぶりに途中で完全に断念した、凄まじいリールがありました。
10ソルティガ4500H
ゴリゴリがすごいです。ベアリング不良+ギヤもダメだと思います。
逆転もしてますので、ワンウェイクラッチ もダメ、巻いた感じ、シャフトも少し危ないかもです。。。。
バラします。
結構な塩とサビです。この時点では、除去が大変だなあと。。。。
ギヤ抜いてみます。
ギヤ交換確定ですね。。。。
そして、作業断念した決定打が。。。。
ピニオンギヤを支えるボディの一部分が完全に割れて中で暴れていました。
この時点で、
かなりの数のベアリング不良交換、
ピニオンギヤ+ドライブギヤ交換、
ボディ交換、
メインシャフト交換、
オシレートギヤ交換、
などなどが確定しています。すでにご予算4万円を超えちゃいそうです!!!!!!!!!
通常、弊社では分解せずに大体の概算計算はしません。
完全に分解検証後の見積もりになります。
クリーニングして一旦ベアリングを交換して、オーバーホールの一通りの作業を行い、仮組みした状態で、どこまでの部品交換が必要かを割り出します。
その時点で、ご予算のご相談をさせていただき、ご予算と状態に合わせてお客様のご希望をお伺いします。
ご予算合わずに、作業ストップ、作業キャンセルを承ることもあります。完全キャンセルの場合は、ベアリングを全て戻してます。
ただ、ここまでしっかり検証しますので、工賃だけは100%頂戴しております。
リールはクリーニングした状態ですので。。。。。
流石に今回はこのまま洗浄すらする必要もなさそうなので、お客様に手数料としての工賃をご請求させていただくことをご了承いただき、
お返しとなりました。。。。。バラバラのままお戻ししました。きっとショックをお受けになられると思います。。。
結構なヤバイ塩ガミも、負けずに洗浄して使える状態まで持っていくのですが、今回は流石に私の方から作業中断のご提案をしました。
中古でご購入だったということもありますので、絶対的に買い直しの方がベターだとの判断です。
臨時休業のお知らせ
10月31日(水) 所用により臨時休業頂戴いたします。
次の日は定休日ですので、11月2日(金)からの対応とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承くださいませ。
リールメンテナンスドットコム
みなさんこんばんは!リールメンテナンスドットコムの内田です。
久しぶりの作業風景アップです!
ダイワの新製品に採用されている、モノコックボディを分解しました。
ご依頼は、17ソルティガBJ3500H
「かなりのシャーシャー音がする」とのことでお預かりです。
モノコックボディは、ボディがビスどめされていません。
マグシールドユニットや、ピニオンギヤは何も問題なく分解できますが、メインギヤやその中身を取り出すのに、本体のビスがないのでびっくりです!
分解は、今までのリールで言う所の、「エンジンカバー」をねじねじして分解です。
指にいくら怪力がある人でも、手動では無理そうです。。。。
最初のご依頼で、スナップリングプライヤーで挑戦したことがありますが、傷だらけになって、結局カバーをこちらで弁償しました(泣
しっかりとしたグリップと、カバーの穴にぴったりサイズでハマる、専用工具、いわゆる治具が必要です!
もちろんメーカーの部品としては売っていないですし、メーカーさんにかけあっても譲ってもらえません(笑
でも、「専用工具がないから、弊社では受付できません」では商売になりません。
というわけで、治具作りました。
正確にいうと、知り合いに「作ってもらった」んですけどね。。。。
金属の加工は私には無理です。。。。
江藤さん、早速役に立ってます!ありがとう!!!!!
で、左側のカバーを開けると
こんな感じでドライブギヤが外せます。
右側のカバーも外して、完全バラバラにできます。
モノコックボディを見つめてみたんですが、
アメリカのバンスタールを思い浮かべてしまいました。
バンスタールはメインギヤごとカバーが外れるので構造が少し違いますが、ボディはそっくり(笑
関係ないですけど、古いバンスタールは、カバーを傷だらけにしないと分解できないという恐ろしいリールですけど。。。。(笑
ピニオンギヤ下のベアリングがゴリゴリになってかなり良い音が出ていたのと、
オシレートギヤのベアリングも錆びてしまっていたので、交換させていただきました。
組み上げ、かなり静かになりましたが、なんとも言えない「シャー」という音は残っています。
実は、同じ機種すでに5台施工させていただいたことがありまして、そのほとんどで同じ感じの音が出ていました。
ユーザーさんによっては気にならないという方もいらっしゃいました。
最初の2台は、オーバーホール+悪いベアリング交換後もやはり音がして(作業前より静かになった)、私個人としても気になったので、ギヤ、マグシールド、ワンウェイクラッチを交換してみましたが、ほとんど変わらずの結果でした。
たまたま本日10ソルティガ4500Hの作業があったので、音を比べてみましたが、よくよく比べるとあまり変わらないような気が。。。。
もしかしたら、ボディの大きさ分、リールの年式が新しい分、ちょっとした機械音が気になってしまうのかも。。。。という感じもしました。
10ソルティガで思い出しましたが、ハイギヤの方がシャー音が目立つ個体が多い認識です。
やっぱりギヤノイズ?????というところで今は落ち着いています。
なんか、一時期のセルテートやイグジストで出ていたギヤノイズ、ザラザラ、音とよく似ているような気がするのは、私だけなのかな????
20台くらい、できればロットが飛んだもので比較できれば、10ソルティガリコールの時のような、「絶対におかしい」か、
「この機種はこんなもんですよ。。。機械ものだからある程度は音がしますよ」のどちらかがハッキリするんですけどね。
当分の間、同機種のご依頼時はモヤモヤしそうです(笑
補足ですが、お問い合わせ時や作業後に私のコメントで、ハッキリと「正常範囲内です」というお返事をさせていただくときは、
過去に検証をしっかり行っての結果の答えなので、この場合は、どうしようもありません。ご参考までに。。。。
日々の作業の積み重ねからの結論なんですよ♪どうか信じてください(笑
リールメンテナンスドットコム 内田
みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコム の内田です。
家族の急用で週末はバタバタとしており、作業が止まって申し訳ございませんでした。
本日より完全再開しました。
納期も先月よりは少し取り戻しつつありますが、まだまだお待たせしている状態で申し訳ございません。
随時順番が来ましたらご連絡しますので、よろしくお願いいたします。
久しぶりの整備日誌です!
最近ソルティガと平行してご依頼が多くなったのが、13ステラSWシリーズです。
機種の不具合という意味ではなく、新製品発表後4〜5年というのが、一番ご依頼が多いように感じます。
いつも通りバラバラにしますが、13ステラSWはウォームシャフトのシムが多いので、慣れないと組み込みに失敗します。
ブログにアップできませんでしたが、先月と今月で、「組めなくなったのでお願いします」という13ステラSWが8台もありました!!
私個人的には、分解に挑戦されることは非常に良いことだと思いますが、「分解初めてです」という方は、まずはベイトリールから始められることをお勧めします。スピニングはある程度経験してから、オフショア用の大型スピニングなんて、もっと難しいので。。。。。(笑)
分解後わからなくなっても、部品が生産中のリールは問題なく受付可能ですので、チャレンジャーな貴方は挑戦されてみては??
ただ、無理な組み込みをして部品を壊さないようにされてください。代償は高くつきますよ!
※誤解があったらいけないので、注意事項です。
08ステラSW、01ステラSWなどなど、部品生産が終了しているリールの分解はお勧めできません!
万が一失敗して部品紛失、部品破損などしたら。。。。。。
その時点でウチでもお手上げになります。
そして、今回の不具合部分は、いつも通りのベアリング不良のみ
ハンドルノブX2個
ラインローラーX2個
ドライブギヤ左右
ピニオンギヤ下
ウォームシャフトX1
ウォームシャフトピン
の、合計9箇所の交換でした。
弊社では、不具合ベアリングでも、「怪しい」感じのベアリングは、一旦洗浄して、復活を試みます。
洗浄+注油で回転フィーリングが蘇ることはしばしばです。ただ、ソルト使用の場合は、ほぼ無理ですけど。。。。。
淡水の場合はボールのサビよりも不純物侵入で回転が渋くなっている場合、ほとんど洗浄+注油で復活します。
逆に言えば、作業後のお知らせで、「ベアリング●個不具合がありました」というベアリングは、「使えない」とお考えください。
ご予算厳しい場合は、ご相談後ベアリングを戻してお返しすることもありますが、ほとんどのお客様が、「やっぱり交換してください」とお申し出になられます!
余談ですが、シマノのスピニングで、結構見落としがちなのが、ここです。
ウォームシャフトピンにベアリングが入っている場合、高確率でゴロゴロしています。
スプール上下のフィーリングに影響する部分ですので、ゴロッとしていたら迷わず即交換です。
ウォームシャフトピンの角がまん丸で、スプール上下があまりスムーズでなかったら、このピンとウォームシャフトも交換をお勧めしますが、今回はベアリング不良だけで、他は問題ありませんでした!
今回のご予算
工賃5,800円(税別)
ベアリング9個交換で、
15,500円(税別)でした。
ケースバイケースですが、オフショアのスピニングリールでは、一番多い価格帯ですね。だいたいこのくらいはかかることが多いです。ご依頼前のご参考になりましたら幸いです。
リールメンテナンスドットコム 内田
みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。
今年初釣行は玉砕に終わりました。。。やはりブランクあるといつものスタイルに戻るのに時間がかかります。
どんどん作業してまた次回リベンジです!
2台同じ事例が出ましたので皆様にお知らせです。
T3シリーズで、ベアリングも悪くなく、ギヤやその他部品に不具合がない、
空巻きでは全く問題ないのに、釣行でそこそこの負荷をかけると、ジージーという奇妙なノイズが出る。
ルアーの重さで音が出たり出なかったりする。
という事例が、昨年1台、今年に入って最近1台ありました。
弊社で作業させていただいて、ベアリング交換、オーバーホール、テストを行い問題なしということでお返し、
お客様の方でもお返し後すぐにテストしていただいて、問題なし。
ところが、釣りに持っていくと、意味がわからない音が出る。。。。。
音の原因は、ここにあるクレッチレバーの、
このシャフト、「クラッチレバーシャフト」という部品から音が出ます。
クラッチレバーがプラスティック製で、シャフトは金属。
個体差があるのも頷けます。
触ってみると、このシャフトが回ってないものが多かったり、回っても音が出ていないものがあったり。。。。
今回2例はどちらも、指で弾くと、「ジャージャー」とものすごい音が出ます。ちょっと嫌な感じの音です。。。
弊社では、接着も考慮しましたが、接着剤が使用過程で外れるとまた音が出てしまうので、
薄くて小さいシムワッシャーを入れて、動かないギリギリの強さで固定して対処しました。
T3シリーズをお持ちのユーザーさん、一度リールを前からのぞいてみてください。
クラッチレバーがしまっている状態では、レベルワインドと先ほどのシャフトの間をラインが通る構造になってます。
負荷の強さで当たったり当たらなかったりで、音が出たり出なかったりというのがよくわかると思います。
リールメンテナンスドットコム 内田
みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。
トップページに記載のあります通り、冬期にお申し込みいただいたリールが予想以上に多く、混雑がまだ続いています。
皆様には納期の件でご迷惑をおかけ致しておりますが、順番に作業を行い、必ずご連絡差し上げますので今しばらくお待ちくださいませ。
今月に入ってからのお申し込みは通常通りまで減って来ていますので、少しずつ納期も戻っていく予定です。
また、現在新しくシステムを構成中です。
リールが届いてから作業するまでかなり時間がかかり、連絡もできない状態で、皆様には常時ご不便、ご心配をおかけしております。整備依頼書もこのペーパレスの時代には合っていないなと感じてます。
「自分がお客だったら」という考えを元に出来るだけ皆様にご心配をかけない仕組みにしていかなくてはならないと思っています。システム完成までしばらく現状のお申し込み方法や流れを継続させていただきますが、システム完成後は、お客様のご不便を出来るだけ解消し、弊社の業務効率も格段にアップする見込みです。
今しばらくお待ちくださいませ。
スプール変形が立て続けにありましたので、皆様もご注意ください!
その1
11オシアジガーのスプール変形
弊社で作業後、お客様がラインを巻いた途端にスプールがロックしたとの事で発覚しました。
写真ではわかりにくいですが、平らなデスクの上で転がすと、一定速度で回転しないのですぐにわかりました。
説明書にも記載があるようで、ナイロンで下巻きをする場合は、「緩めで」との注意事項。
私個人の意見としては、巻き始めの滑り止めをナイロンでするのはOK、下巻きは可能な限りメインラインに太さの近いPEや火線で、という意見です。特に最近のリールのスプールは軽量化のため肉薄なので、ナイロンの収縮圧には弱いと思います。オシアジガーに限らず、下巻きを多用するオフショアのリールでは要注意ですね!
その2
14ステラのスプール変形
80、90の大鯛ヒットでドラグを入れ込んで変形。
一定のドラグを入れると、スプールとドラグノブがロックして同じ方向に回ってしまうという厄介な現象でした。
こちらは使用ジャンルによってはナイロンやフロロを使うと思います。
今回は、下巻きの圧もあるようですが、リールに対してのドラグと魚の大きさに間に合わずに変形してしまったという感じでした。
街の量販店さんでライン巻きのサービスをしているのをよく見ますが、機械巻きでガンガンナイロンにテンションかけて下巻きしているのを見かけたときは流石に指摘しました(笑
そうなんですかぁ?とおっしゃっていましたが、後日確認したらスプール変形でメーカーへ修理出したそうです。。。。
皆様もお気をつけください!
リールメンテナンスドットコム
みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。
トップページに記載のあります通り、おかげさまで冬期にお申し込みいただいたリールが予想以上に多く、大混雑中です。
皆様には納期の件でご迷惑をおかけ致しておりますが、順番に作業を行い、必ずご連絡差し上げますので今しばらくお待ちくださいませ。
また、現在新しくシステムを構成中です。
リールが届いてから作業するまでかなり時間がかかり、連絡もできない状態で、皆様には常時ご不便、ご心配をおかけしております。整備依頼書もこのペーパレスの時代には合っていないなと感じてます。
「自分がお客だったら」という考えを元に出来るだけ皆様にご心配をかけない仕組みにしていかなくてはならないと思っています。システム完成までしばらく現状のお申し込み方法や流れを継続させていただきますが、システム完成後は、お客様のご不便を出来るだけ解消し、弊社の業務効率も格段にアップする見込みです。
今しばらくお待ちくださいませ。
そんな中、本日作業させていただいたリールで、ちょっと気をつけたほうがいいなということが出ましたので、ご紹介させていただきます。
13ブラスト4020PE-H
ゴリゴリ感がひどく、高負荷時に空回りすることがあるということでお預かりしました。
分解前から、ギヤが完全にダメなのは回して一発判明しました。
その他、ベアリング不良6個交換、ドラグワッシャーもへたっていたので交換しました。
しかし、ギヤ磨耗あるにしても、ドライブギヤが左右にかなりがたつきます。。。。
クリアランスが空きすぎ。。。。
ん????
ダイワ製品のスピニングリールは、上の写真の部分、「エンジンカバー」というものがついていて、これを外してメインギヤのクリアランス調整(シム調整)が出来るような構造になっています。エンジンカバーというだけあって、ほとんどがビスでとまっています。
が、13ブラストはエンジンカバーがねじ込み式。しかも写真の銀色のところだけがその役目です。
この写真のような感じです。金色のワッシャーが入っているのがわかりますね。
このネジ、逆ネジになっていてハンドルの脱着時に緩まないように工夫されているんですが、
今回、このエンジンカバーのネジがゆるゆるでした!!!!
普通に使ってもギヤが痛んでしまいます。これは要注意ですね。
通常のエンジンカバーは3本のビスでとまっており、故意に緩めない限りは外れませんが、
13ブラストのような構造だと、ふとした時に緩んでしまう可能性はあります。
ソルティガのハンドル取り付け部分のパッキン紛失と同じく、ちょっと気をつけたい場所ですね。
13ブラストをお持ちのユーザさん、一度あなたのリールもチェックが必要かもです。
みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。
いよいよ毎年恒例、冬場の混雑シーズンが始まりました。
以前のホームページとは違い、トップページに「現在の納期目安」が表示されるようになりましたので、だいたいの状況は皆様ご理解いただけているかと存じますが、この時期釣りのオフシーズン、年末年始に向けて作業お申し込みが集中し、大変混雑いたします。
おかげさまで常連のお客様がハイシーズンのことをご存知なので、毎年この11月下旬ごろから急に混雑が始まります。
現状、近日中のお申し込みでは、年内の納品がお約束できない状況となっております(若干変動の可能性あり)。
お申し込みをご検討の皆様は、納期を長めにお考えください。年末年始釣行ご予定のお客様は、完全に終わってからお出しください。
毎年ハイシーズンは、フィッシングショーのあとまで続き、4月ごろ一瞬おさまってまた混むという状況が毎年恒例です。
お急ぎのところご迷惑をおかけいたしますが、ご了承くださいませ。
リールメンテナンスドットコム スタッフ一同
みんさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。
発売後間もない17オシアジガー1000HGのオーバーホールのご依頼を頂戴しました。
自分としても構造に興味津々だったんですよね!
ヘビーユーザーさんからのご依頼だけあって、分解前の回転テストではベアリング不良確定です。。。。
早速分解してみます。
17オシアジガーは、スプール交換ができるようになりました。
船上ではビスの紛失注意ですが、この構造はシマノファンにとってはありがたいですよね!
完全分解して、ついでに構造の検証しました。
構造的には、 オシアコンクエストと11ジガーの「いいとこ取り」の構造で、メカニック的には素晴らしい構造だと感じました。
ドラグのクリック構造はオシコンと同じです。メインシャフトも同じになりました。ベアリングの固定の仕方に工夫があります。
スプールが外せるので、注油や軽めのグリスアップはセルフメンテで出来るところが増えて良いですね!
ただ、オフショアリールの宿命は避けて通れません。
スプール内蔵、ピニオン上下、シャフトつけ根、合計4個ベアリング交換必要でした。
この辺りや汚れ方、潮の噛み方は、なんら変わりありません。
消耗品なので仕方がないです。
あとは、ギヤとドラグ径が小さいので、1000番1500番で不意の大物かけちゃうと、ドラグが心配ですね。肴は選べませんから(笑
スプールが交換出来るのは、ユーザーさんにとって大きなメリットですよね!メーカーさんにとっては「替えリール」として売れないのでどうなんだろうと思う次第ですが(笑
メーカーさんのユーザー目線の改良は、今回は絶賛出来ると思いますよ。構造的にも!
リールメンテナンスドットコム 内田雅和